daiya89のブログ

グレイシアたん可愛いよぉ〜ハァハァ

第二次バドミンター大戦 〜番外編〜

大事なのは敵か味方かではない。本当に大事なことは心が同じ方向を向いているかどうかである。


あの激闘のバドミントン大会が終わった後も戦士達の戦いは続いていた。GMPK48センター争奪じゃんけん大会。つまり、皇帝の座を決める運命の戦いだった。俺はこの日のために昆虫を具現化し、じゃんけんを鍛えてきた。俺のグーは大地をも砕き、俺のチョキは空をも切り裂き、俺のパーは全てを握りつぶす。その領域にまで至った。負ける訳には行かないのだ!


いよいよ予選が始まった。バドミントン大会の予選のメンバーでの戦いだった。全敗した屈辱を今ここで晴らす!

思考しろ、感じるんだ、相手が何を出すのかを!その瞬間勝利を感じた。もう、何の手を出したかは覚えていない。いや、何の手かを気にする必要がなかったのだ。それが勝利へ導くことを知っていたから。

こうして、俺は無事に予選を突破した。


いよいよ決勝。各予選を勝ち上がった強者達が集う。当然中には虫を具現化できるものもいる。この勝負熱い!俺は右手に魂を込めた。そして始まる。高鳴る鼓動。滴る汗。殺気を帯びた眼(まなこ)。6人が魂をぶつける!


決まった...

6人から4人へと一気に絞りこまれた。俺もまだ残っている。圧縮された空気に押しつぶされそうになりながら、俺はまだその場に立っていた。

しかし、苦しい環境の中で俺は保守的になっていた。とりあえずこの局面。安定したグーを出そう。まずは様子見だ。そして、始まり、一瞬にして終わった。


...パー...だと...


3人がグーを出す中、1人だけパー出す男がいた。なぜパーを出せる!一番危険な手なはずだ!俺の思考はそんな事ばかり考えていた。そして、理解した。そう皇帝はBusterを纏っていた。そう彼は勇猛果敢に攻めたのだ。敗北ではなく、勝利を感じて!

この敗北は3分の1の偶然などではない。この結果は逃げずに立ち向かう戦士が振り絞った必然の結果だった。


そして、拍手と喝采が皇帝を包んだ。さっきまで敵同士だったはずなのに。信じられなかった。しかし、俺もいつのまにか拍手と喝采を送っていた。

なるほど、皆が望んでいたのは戦いではなく、一生懸命になれる何かだったんだな。

俺は理解した。不条理なこの世界でこんなに美しい景色か見れるとはな...


俺は心身ともに修行不足だった。

己をもっと磨く必要がある。

どんなに辛くても逃げない!立ち向かうだ!


あの皇帝のように。

(完)