daiya89のブログ

グレイシアたん可愛いよぉ〜ハァハァ

タコパ革命 〜序章〜

俺たちはこのくそったれな世界に飽き飽きしていた。



2018年7月1日。照りつける日差しが肌を焦がす天気だった。この日俺はがんぽけたこ焼きパーティーの買い出し班だった。3時に集合とのことだったが、当然この世の不条理なルールに従う義理はなかったので45分遅れの3時45分に合流した。俺以外は皆「手動式二輪自動車」を携帯していた。仕方なく俺は目的地まで走ることになった。俺が自らの足で走っているというのに、皆手動式二輪自動車を全力で走らせる。この理不尽な世界を一刻も早く変えねばならない。そう強く感じた。


5時前に会場に着いた。結局買ったものはありきたりなものばかり。俺の案はほとんど却下され、採用されたのは「コアラのマーチ」と「ナタデココ」、「うずら卵」のみだった。「ホットケーキミックス」も「マシュマロ」も却下された。

しかし、この採用を認められた食材で今夜世界がひっくり返ることは誰も予想していなかった...そう、この俺さえも...


開始まで各々時間を潰し、6時過ぎくらいに革命の狼煙が上がった。初めは普通のたこ焼き、ふざけて作るたこ焼きも単品でわさび大豆やグミなど味が予想できるものばかり。いざ出来上がったたこ焼きを食べた。「うまい!」。当然だ釜石から取り寄せたタコがまずいわけがない。


全てが予定調和だ。


俺の心の中に潜むこの世界への憎しみが溢れ出た。俺はもっと未知のものを渇望している。複雑に入り混じって抜けれない迷宮をさまよいたい。求めるのは混沌(カオス)だ。


反撃の時は来た。いつまでもこの世界で指を咥えて立っているだけの存在ではいたくない。全てを塗り替えろ。この世界を。例え1人でも。革命を...起こすんだ!

ここから新たな世界が開かれる。


俺は完全にやる気だった。例え全員に否定され、虐げられてもこの世界から皆を救う覚悟でいた。しかし、俺の他にももう1人反逆者(レジスタンス)がいた。女だったがとても強い意志を持っていた。そいつは最初の具材混入の際にほとんど全員から否定されたグミを入れたやつだった。全く、この世の中でそんな行動をするアホなやつがまだいるとはな...

ただ、嫌いじゃねーぜ。


反撃は加速していく。「コアラのマーチ」「オレオ」「ラムネ」「ナタデココ」「ポテトフライ」「かっぱえびせん」「バナナチップス」「チョコレート」「マーブルチョコレート」「飴」「カレー粉」などなど。とりあえず合いそうな組み合わせをぶち込んでいく。悩んでいる暇はない。悩みが、思考の停止が敗北を生む。今はとにかく突き進め、後先は考えるな。感じろ具材を!


流れはこちらに傾いた。俺たちに味方をするものが出てきた。この世の不条理に気づき、いち早くこちら側の人間になった。過去のことは気にするな。お前らは何も悪くない。悪いのはこの世界の仕組みだ。今度はお前らがみんなを助ける番だ。辛く、苦しい戦いだが、決して諦めるな!自分を信じろ!もし自分が信じれなくなった時は仲間を信じろ!俺たちが支えてやる!誰1人置いてかねー!いや、置いてけねーんだよ...


俺たちの仲間は4人となった。反逆者は常に追われる身。仲間の情報を教えることはできないため、名前は伏せさせてもらう。俺たちの勢いは止まらない。世界に支配された連中は勢いを失っていく。そして、最後の方に王手をかけた。「かっぱえびせん」「もち」「マーブルチョコ」「バナナチップス」「ナタデココ」の混沌にナタデココのシロップをつける。


革命は成功した。


マーブルチョコともちのハーモニー、エビせん、バナナチップスの食感、全てを統括する生地、仕上げのナタデココたち。条件は揃った。お前らっ!!よくまとまってくれた。心から感謝する。


もう向こうはジリ貧だ。トドメを刺す時がきた。相手を仕留めるのにまどろっこしいことはいらない。単純かつ真っ直ぐな方法が一番倒しやすいのだ。

そして、俺たちが選択したもの、それは...









単品コアラのマーチと単品餡饅頭だった。単品ではあったが、そこには確実に混沌があった。いや、宇宙と呼ぶべきか。この世界が総括できないもの。それはこの世界を創造した宇宙なのだ。我々の勝利はここで決まった。

俺は仲間と熱く抱き合った。俺たちの勝利だ!と。


しかし、俺たちの革命はまだ序章に過ぎない。これからもっと辛く、苦しいことがあるかもしれない。越えられない壁もあるかもしれない。だが関係ない。これが一歩だ。世界を塗り替える極めて小さな、



しかし、とても強い一歩だ。

誇れ我が同胞よ...

(完)